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印刷やデザイン、アドビ製アプリやスクリプトなど、雑多な技術ブログ

週刊 IM@Study 制作裏話

今年の夏からエンジニアなアイマスプロデューサーさんたち有志のサークル「IM@Study」さんの合同技術同人誌『週刊 IM@Study』のお手伝いをしています。
前回は夏コミで『週刊 IM@Study vol.3』が、そして今回は12/14開催の第二回技術書同人誌博覧会にてそのvol.4が頒布されます。今回はその新刊で僕が携わった制作物を紹介しつつ、どういうツールを使ってどういうふうに作っているのか、その一端をお見せできればと思います。

制作したもの

  1. 表紙レイアウト
  2. コラム(レイアウトテンプレートから制作まで)
  3. サークルカット
  4. サークルアピール
  5. 販促用フロアマップ画像
  6. ダウンロードカード

今回は(長くなるので)表紙レイアウトについてだけご紹介します。
技書博のサイトではサークルカットや頒布情報を確認できますので、ぜひご覧ください!

表紙レイアウト

完成品はこんな感じ!

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週刊IM@Study vol.4 表紙
イラストはこれまでと同じ文月きょう(@kyo_fumituki)さんです。創刊号が島村卯月、vol.2が櫻木真乃、vol.3が春日未来と来て、満を持してvol.4で天海春香です!*1 そしてこれまでと同様、週●アスキーのような雰囲気でレイアウトしています。
ここに掲載はしませんが、裏表紙(表4)には文月きょうさんのメガネ春香の全身が載っています! とてもかわいらしいのでぜひ会場でお手に取ってご確認ください〜!

使用したアプリケーション

  • Adobe InDesign(CC2019)
  • Adobe Photoshop(CC2019)

制作手順

キャラ絵とタイトル

まず、絵師さん(文月きょうさん)に描いていただいたイラストを、InDesignに配置します。

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こんな塩梅カナー

続いて前回号からタイトルと、週●アスキーのお約束である上の赤い帯部分を持ってきます。
実は前回号のタイトルはすべて源ノ角ゴシックで組んだのですが、欧文部分が気に食わなかった && 全体の長体がきつかったのが嫌だったんですよね。

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前号のタイトル

なので今回は、欧文に違うフォントを使いました。Adobe Fontsの中から、

  • もう少し見かけの字幅が狭いもの
  • ある程度ウェイト*2に幅があるもの
  • サンセリフフォント*3

というものを探し、選んだのはOswaldというフォントです。んで、こんな感じに。

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vol.4のタイトル

ついでに発行日のフォントも同じOswaldにしました。
これでタイトル部分は完成。

背景の色選び

これめっっっっっちゃ悩んだんですよね。経緯は冗長になるので省きますが、最終的には12月に頒布ということでクリスマスっぽい配色にしました。

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緑と赤でなんとなくクリスマスっぽい?

テキストまわり

実際には背景とテキストの配置はほぼ同時並行してまして、ある程度執筆陣のタイトルも決まり1回目のラフはこんな感じで制作しました。

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表紙案 1回目

見て分かる通り、背景のグラデーションの方向が違うのと、前号に倣ってKotlinの記事*4のタイトルを小鳥さん*5カラーにしたり、他の記事タイトルカラーを春香のイメージカラー(赤)にしたりとしてました。
Slackで投げたところ「タイトル目立たなくない?」とご指摘をいただき、まったくもってその通りだなと。というわけで色や配置も修正して完成に近づいていきます。

さてここで、Googleで週●アスキーをイメージ検索してみるとこんな感じです。

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誌名モロバレやん

本家ではデジモノの画像などが入り、誌面に適度なリアル感というか、いいバランスでメリハリがついていますね。さすがっす。今回はあまりそういう画像類を入れる余地がなく、テキストだけで週●アスキーの雰囲気を出すべくチャレンジしました。

前回Kotlinの記事が誌面の下部を専有していたのですが、同じレイアウトじゃつまらないなと縦組みに。こだわりはやはり小鳥カラー。ここだけは残したかったw

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小鳥さんはここにいるよ!

続いて表紙左側にお二方の記事タイトルを配しました。FPGAという(少なくとも僕は)聞き慣れない単語で、おそらくこの技術が掲載されていると伝えられたほうがいいなと思って大きくしました。フォントもメインタイトルの欧文フォント、Oswaldにしています。

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FPGAとコンベンションセンター

下に小さなスペースを作り、今号から初めての試みであるコラムのタイトルを配しています。「IM@S Mini Columns」の文字はサンセリフのイタリック体が使いたかったので、割と好きなEuropaのBoldItalicを使いました。その後ろにある水平線は、InDesignお得意の右インデントタブに打ち消し線で表現しています。

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記事の間に挿し込まれるコラム

トップの赤い帯は、助詞を小さくして字間を広げ、メリハリを付けました。

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盛り上げてけ☆

Illustrator使わないの?

こういったレイアウト作業にはIllustratorが好まれるケースもあるかと思いますが、特にカバー(ジャケット)や表紙などでは僕は断然InDesignを推します。どうしてもIllustratorで制作したいときは、表1(表表紙)と背と表4(裏表紙)をそれぞれ別々のアートボードで作成し、InDesignに配置します。わざわざInDesignに配置するのは、背幅(束幅)の調整が簡単にできるからです。

Illustratorだけで制作した場合、背幅の調整のために全体のオブジェクトを選択し、増減させる背幅のサイズだけ左右に移動したりして調整する必要があります*6
一方のInDesignでは背幅がページツールだけで簡単に調整できます*7

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ページツールを利用した背幅の調整

実際に執筆陣が記事を書き終わらないと背幅が決まらないため、とりあえず制作してあとで調整しやすいこの機能が本当に重宝します。

表1、背、表4を別々のページとして作るメリット

Illustratorでアートボードを分けておいたり、InDesignでページを分けておくと、そのアートボード/ページ単位で画像やPDFの書き出しができます。同人誌制作は頒布情報やらサークルカットやらでとにかく表紙の画像を使いまわします。SNSでの販促活動なんかにも使いますね。なのでそれを見越してデータを作成をしました。おかげでかなり取り回ししやすくなっています。

で、どこで頒布するの?

第二回技術書同人誌博覧会にて、3F-そ02で頒布されます。
書籍版は50部、ダウンロード版(BOOTHからPDFをダウンロードするためのQRコードを記載したカードの販売)は100部予定しています。そのダウンロードカードも超かわいくできている(と思う!自負!)のでぜひ会場でご確認ください! 天海春香さんのサイン入りです……。

というわけで、技術書同人誌博覧会、よろしくお願いしますね! プロデューサーさん!

*1:レイアウト作業中に中村繪里子さんご結婚の報に触れ、これ永久保存版の記念号になるのでは……とちょっと本気で思っています

*2:フォントの太さのこと

*3:san-serif。serifがないいフォントという意味で、いわゆるゴシック体の仲間

*4:にしこりさぶろ〜さんの記事。小鳥さんとKotlinが勉強できるぞ!

*5:音無小鳥さん。765プロの超有能事務員A

*6:アートボードを工夫すればもう少し簡単にはできますが……

*7:背幅の増減に合わせてページを追従させるにはドキュメントの見開き設定をオンにしておく必要があります