2021年7月18日、24回目のDTPerのスクリプトもくもく会を開催しました。
前回に引き続き日曜日の開催で、5名の方にご参加いただきました!
いただいた質問や出た話題などを振り返りたいと思います。
エディタは何を使っていますか?
ほとんどの方がVSCodeでした。特にCatalina以降にアップデートされた方はESTKが使えない*1のでやむを得ないという事情もあるでしょう。
VSCodeは拡張機能によって多様なカスタマイズができるものの、デバッグのために準備が必要など、ESTKに比べて最初のハードル少し高いかもしれません。ESTKからVSCodeに乗り換えようという主旨の同人誌を頒布しました*2ので、そちらもぜひご覧ください。
また、規模が小さい書き捨てのスクリプトであれば僕はCotEditorでも書くことがあります。変数を確認したりコンソールに値を表示させたりといった、いわゆるデバッガーらしい使い方はできませんが、CotEditorで編集したスクリプトをInDesignで実行することは可能です。詳しくは以前の記事を参照ください。
いずれにせよ、ESTKが(多少使いにくいとか挙動が怪しいとかいろいろ文句はあったにせよ)スクリプト開発の第一歩を踏み出すにはちょうどよいツールだったことは痛感しています。特別な設定をすることなく、起動すればそのまま開発とデバッグができたわけで。
現環境ではVSCode一択…とまでは言いませんが、公式デバッグツールが提供されているのはVSCodeなので、実質的に開発の標準エディタがVSCodeになるのは間違いないでしょう。ただそれには僕が同人誌で書いたような最低限のVSCodeの知識が必要です*3。
さらにターミナルまで使うともっと便利に使える*4のですが、これまでESTKだけ使えれば開発できたのに、わざわざターミナルの使い方(というかコマンド)まで覚えるのは、よほど好きな「変わり者」か「どうしてもシェルを叩く必要がある」か、くらいの人ですよね😅
VSCodeの解説書
森下篤さんの『Visual Studio Code 実践ガイド―最新コードエディタを使い倒すテクニック』がおすすめです。
また、その森下さんが明日まで開催中の技術書典11にも出展されていて、VSCode関連の以下の同人誌を頒布されています。
オフライン会場で実は直接購入させてもらっていました……同じ著者の方だともっと早く気づいていればお声がけもできたのに…悔しい………。
同人誌『VSCode乗り換えガイド』の補足
同人誌を読んでくださった参加者さんからご質問をいただいたので共有しておきます。
ウォッチ式
ウォッチ式自体は登録しただけでは何も表示してくれません。スクリプトを実行(デバッグ開始)してから、ブレークポイントで一時停止させる必要があります。停止した時点でのウォッチ式の結果(評価)が表示される、という仕組みです。
フォルダ構成
ワークスペース内は自由にフォルダを作って大丈夫です。ひとつのワークスペース(VSCodeで開いているところ)に対して、ひとつのlaunch.jsonが対応します。launch.jsonは.vscodeフォルダ内に保存されるので、ワークスペース単位で.vscodeフォルダを管理するような格好です。
Illustratorのスクリプト開発者さん
Illustratorのスクリプトを開発されていて、スクリプトや情報を公開してくださっている方々です。
Twitterをやっていらっしゃる方も多いのでチェックしてみてください。
PropertyExplorer
Illustrator、InDesign、PhotoshopなどのAdobeアプリ用のプラグイン、Property Explorerがオブジェクトモデルの検索に便利です、という話が出ました。
インストールのやり方はほかのプラグインと同じです。
こんな感じでオブジェクトモデルをテキストベースで確認することができます。
開発元は実績と信頼のTen_A先生です。僕も入れてありますが、特にIllustratorではオブジェクトモデルを調べるのに便利なのでよく使っています。特定のオブジェクトのプロパティをわーっと表示させて、まるっとエディタにコピペしてあいまい検索で目的のプロパティなどを探す…みたいに使うことがよくあります。
次回もくもく会
暫定ですが9/11(土)を予定しています。8月半ばにはまたイベントページを立てますので、よろしくお願いいたします。
以上、#24開催報告でした。