本日3月29日が最終出社日でした。9年と11ヶ月お世話になりました。ということで退職エントリーです。
現職振り返り
担当した業務
- DTP組版部門にてDTPオペレーター(たまに製版業務も)
- DTPオペレーターたちの業務や目標などを取りまとめるチームリーダー
- スクリプト開発・運用(ExtendScriptが9割、ほかAppleScriptやシェル、VBSなど)
- 社内広報部門にて社内広報、ウェブプロモーション業務の立ち上げ参加など
得られた経験やスキル
- 印刷にかかわるDTP・製版についての具体的で総合的な知識・技術
- チームメンバーをマネージするスキル(主にコミュニケーションスキルと数字を管理するスキル)
- トラブル発生時にどうやって解決するか、その再発をどう防ぐか、という解決方法や再発防止策の策定など、先を見据えた問題解決の経験
- そもそもトラブルになる前に、どういったトラブルが起こり得るか考え、予防のための手立てを組み立てるスキル
- 新しいツールを導入するにあたり、選定や予算管理、そのプロジェクトの立ち上げなど
この会社でのポジティブな面とネガティブな面
ポジティブ面
DTP、印刷にかかわる深い知識を得られたことは非常にポジティブなところ。
特にワークフローRIPであるEQUIOSとAdobe各アプリケーションを同時に直接操作できたことで、Adobeアプリケーションの機能が想定通りRIPできるかテストでき、デジタル(DTP)とアナログ(印刷)を両面から学ぶことができました。印刷工場が近所にあり、直接出向いて行けるのも良かったですね。
また、事故やクレームや不具合情報を共有する仕組みがあったので、僕が入社する前のそういった情報や、僕以外の人が直面したそういった情報をいつでも確認できました。
ネガティブ面
一方で、主業務であるDTP以外のことについて知識やスキルを広げようとしたとき、なかなか自由に行動できなかったのがネガティブなところ。
社内広報部門で副委員長を務めたこともあって、僕は割とそういったことができたほうだったけれど、それでも、会社のためにと思って(展示会やセミナー参加などで)情報を仕入れたり企画をしたりしても、それが「主業務と関係ない」こともあって評価されたようには感じなかったかな…。
「主業務と関係ない」ことをやるな、をやりすぎちゃうと、言われたことだけやってれば給料もらえるからいっかマンが量産されてしまい、自分たちで考えて動く組織みたいなものから遠ざかる気がするので、本来の業務そのものと近からず遠からずな知識やスキルは常に収集できる余裕をもてる組織でありたい(組織にいたい)とは常々思っていました。
業界として
残業が当たり前になっているのが辛い。
小学生の子供の成長を見守る親の一人として、彼らの面倒を、平日は全てパートナーに任せっきりになってしまったことがとても大きな後悔として残っています。家事ももちろんそうだけれど、それ以上に、子供たちの宿題や日々のコミュニケーションなど、もっと積極的にかかわりたいと思っていたのに実現できなかったことが悔しかったです。
DTPという職種から足を洗うことにしたのも、それがいちばん大きな理由です。
感謝
いろいろ書いたけど、やっぱりいろんな人に支えられて今の自分があるのは間違いないです。現職で直接お世話になった方もそうでない方も、本当にありがとうございました。
僕は今でも本が好きです。作るのも読むのも好き。その気持ちをずっと失わずに働けたことは仕事や職場の環境もあったかもしれません。これまでの出会いに感謝です。
次について
仕事
おかげさまで4月1日から次の職場で勤務開始です。軸足は印刷から大きく変わらず、(フォトアルバムや建築壁紙などの)紙加工品メーカーの企画開発室に勤務となります。
しばらくは研修というか仕事を覚えるところからになりますが、制作物のディレクションや企画、ゆくゆくはプロモーションなどもやっていきたいなと思っているところです。もしかしたら展示会などでお会いできることも増えるかもしれません。
引き続き活動していくこと
ブログともくもく会について
ブログについては特に考えていません。現状のまま、気ままにAdobeアプリの情報やスクリプトの話を記事にしていこうかと思います。
ただし、業務でInDesignを触る機会はほぼなくなります。なので今後どうなるか、自分でもちょっと未知数です。
DTPerのスクリプトもくもく会ですが、先日のもくもく会#39開催報告最後に書いた通りです。
こちらはシュリンクしていくことは内心決めていますが、具体的にどういう形に落とし込むかは未定です(急にやめる、ということはないです)。
Vivliostyle
エンジニアでもないのに開発者会議ほか継続的に参加していますが、僕なりにお手伝いできるところもあるので、来なくていいですと言われない限りは今後もしばらく続けるつもりです。
DTPといえばWYSIWYGのAdobeアプリケーションがデファクトスタンダードですが、CSS組版という選択肢もこれからもっと増えていくはずです。それを最前線で体験できることは非常にエキサイティングで、いろいろな面で自分にとってプラスになると思っています。
Adobe Community Expert
こちらはもっと本腰を入れていかないとな、と思っているところ。Adobe Communityに顔を出すだけでなく、もっと精力的に活動していきたいと思っています。
ほかのエキスパートの皆さんは僕よりもずっと知識も経験もお持ちで、かつ勉強熱心で、それでいてユーザーに協力的で献身的な方ばかりです。そういった方々と肩を並べられるように僕もがんばっていこうと思います!
最後に
ということで、人生初の退職エントリーを書いてみました(一度やってみたかった)。
X(Twitter)やBluesky、しずかなインターネットもやってますので、そちらでも引き続きお付き合いくださると嬉しいです。