昨日から、どうやらMac版のExtendScript Toolkitで不具合が生じているようです。
動作アプリケーションを指定しても、ESTKで単体のスクリプトとして実行してもこの警告が出ます。
古籏さんの検証では、どうやら日付に問題があるとのこと。
原因&解決方法が判明。2018/11/20以降になるとESTKではスクリプトが実行できないというバグ。で、時計を2018/11/19とかにすれば動きます(笑) というか、笑えないですけど、どうなるんでしょう、このバグ・・・@Uske_S pic.twitter.com/2NDinFdeYK
— 古籏一浩 (@openspc) 2018年11月20日
現段階で根本的な解決方法はなく、以下のツイートでも言及されている方法しかありません。
ESTKのエラーでご迷惑をおかけしています。英語ですが、Adobe Tech Blogで単純な説明を投稿しましたhttps://t.co/bxxwtYw6iF
— Ash Ryan (@ashryan_io) 2018年11月20日
結論として今のところ、問題を避けるために2つの方法があります:
①ダイアログの「OK」ボタンをクリックしたら、そのままデバッグができます
②システム日付を変えること
USフォーラムでは話が少しずつ進んでいるようです(公式からも反応がありました)。
Bracketsのプラグインを利用してスクリプトを実行することはできるようで、本当にESTK自体の不具合、といったところでしょう。
Bracketsのプラグインについて詳細はこちら。
詳細が分かり次第追記していきます。
【11/21 11:00 追記】
MacOS 10.10.6、ExtendScript Toolkit CC(4.0)の環境で試した結果が以下です。
いずれも、アプリケーションから直接スクリプトを実行することは可能です。この検証は、ESTKから対象アプリケーションを指定してスクリプトが実行できるかどうかを調べたものです。
アプリ | バージョン | リビジョン | 警告 | スクリプトの実行 |
---|---|---|---|---|
ESTK | CC | 4.0 | 表示される | 不可能 |
InDesign | CC2017 | 12.1.0.56 | 表示される | 可能 |
InDesign | CC2015 | 11.4.1.102 | 表示される | 可能 |
InDesign | CC2014 | 10.2.0.69 | 表示される | 可能 |
InDesign | CC | 9.3.0.106 | 表示される | 可能 |
InDesign | CS6 | 8.1.0.419 | 表示される | 不可能 |
InDesign | CS5.5 | 7.5.3.333 | 表示される | 不可能 |
InDesign | CS5 | 7.0.4.333 | 表示される | 不可能 |
Illustrator | CC2017 | 21.1.0 | 表示される | 可能 |
Illustrator | CC2015.3 | 20.1.0 | 表示される | 可能 |
Illustrator | CC2015 | 19.2.1 | 表示される | 可能 |
Illustrator | CC2014 | 18.0.0 | 表示される | 可能 |
Illustrator | CC | 17.1.0 | 表示される | 可能 |
Illustrator | CS6 | 16.2.2 | 表示される | 可能 |
Illustrator | CS5.1 | 15.1.0 | 表示される | 不可能 |
Illustrator | CS5 | 15.0.2 | 表示される | 不可能 |
以上のような結果となりました。
USフォーラムによるとfixに向けて開発チームが動いているようですので、詳細を待ちたいところです。
【11/21 21:00 追記】
どうやら、targetengineを指定すると(1回だけ警告が出るものの)、それ以降はスクリプトが問題なく動作するようです。
手元で試した限りでは、上記の表の「不可能」としていたInDesign CS製品でもスクリプトが動作することを確認しました。
その方法で試すとどうなるか、が以下の表になります。
アプリ | バージョン | リビジョン | 警告 | スクリプトの実行 |
---|---|---|---|---|
ESTK | CC | 4.0 | 表示される | 不可能 |
InDesign | CC2017 | 12.1.0.56 | 1回だけ表示される | 可能 |
InDesign | CC2015 | 11.4.1.102 | 1回だけ表示される | 可能 |
InDesign | CC2014 | 10.2.0.69 | 1回だけ表示される | 可能 |
InDesign | CC | 9.3.0.106 | 1回だけ表示される | 可能 |
InDesign | CS6 | 8.1.0.419 | 1回だけ表示される | 可能 |
InDesign | CS5.5 | 7.5.3.333 | 1回だけ表示される | 可能 |
InDesign | CS5 | 7.0.4.333 | 1回だけ表示される | 可能 |
Illustrator | CC2017 | 21.1.0 | 表示される | 不可能 |
Illustrator | CC2015.3 | 20.1.0 | 表示される | 不可能 |
Illustrator | CC2015 | 19.2.1 | 表示される | 不可能 |
Illustrator | CC2014 | 18.0.0 | 表示される | 不可能 |
Illustrator | CC | 17.1.0 | 表示される | 不可能 |
Illustrator | CS6 | 16.2.2 | 表示される | 不可能 |
Illustrator | CS5.1 | 15.1.0 | 表示される | 不可能 |
Illustrator | CS5 | 15.0.2 | 表示される | 不可能 |
ご覧の通り、main以外のエンジンを指定するやり方ではIllustratorが全滅となりました。InDesignを対象とするスクリプトであれば、これでもいいかもしれません。
試したコードはこんなんです。
#targetengine "hoge" alert("fuga");
InDesignについてだけ言えば、現時点ではこれが一番分かりやすくて勝手が良いですかね。
引き続き何かあれば追記していきます。
【11/30 23:50 追記】
Ten_A師匠がAdobe自動化総合フォーラムにおいて解決方法を懇切丁寧に解説してくださっています。
記事で紹介されていますが、ものかのさんがD&Dで修正できるアプリケーションを開発してくださいました。
これでこの記事への追記は最後でしょうかね。
原因を迅速に特定してくれたAdobeのecosystemチーム、
その解決方法を和訳して紹介してくださったTen_Aさん、
そしてパッチアプリを開発してくださったものかのさんに敬意を表したいと思います。